「今日も嫌がらせ弁当」
2019年7月公開(ネタバレなし) 邦画作品
久々の映画館鑑賞です。
あらすじ
八丈島に住むシングルマザー(篠原涼子)は、高校生になる反抗期の次女(芳根京子)の考えが理解できず、二人は会話することもない状態だった。無視・「車で送って」を直接でなくLINEでの会話など態度が悪い。そこで、娘の態度を改めさせるまで、<嫌がらせ弁当>を作ることを考える。
最初は赤ずきんちゃんのキャラ弁、お笑い芸人のキャラ弁、ネタが尽きると、メッセージなどを描いた弁当を作って渡す。
弁当の紹介をブログで始め、シングルファーザー(佐藤隆太)と知り合い、彼とのやり取りの話や、次女の高校生卒業までの母と娘の弁当を通したやりとりなど、実話をもとにした、ファミリー映画である。
「コミュニケーションが会話でなく、弁当だった。人を思う気持ちはどんな形であっても尊いもの」
テレビでも話題になったので、実際のお弁当の写真や結末は多くの人が知っているかもしれません。自分は映画を見て、最後のお弁当がこれだったなと思い出しました。
キャラ弁というのは、そうとう手間がかかっているし、生みの苦しさもすごいもの。それを続けていけたのは、娘さんへの愛情が強かったからでしょう。毎日やるのはほんとに大変です。
篠原涼子はこういう少し強い感じの女性をやらせたらすばらしい。芳根京子の高校生、反抗期、進路の決定と高校生のナイーブさを演じていた。姉は松井玲奈、篠原の友人には森三中の村上。八丈島のあたたかい雰囲気や美しい風景。ファミリー映画らしくアットホーム感やコメディカルな要素も良かった。見ていてほっこりしてくる。
佐藤隆太と父子での苦労や理解の難しさ、と喜びもうまく表現されていた。
反抗期でのお互いの距離間の相違、成長のために必要なぶつかり合いも共感でき、嫌がらせ弁当を通して、コミュニケーションを図るという特異な例ではあるが、どんな家族でも体験する、会話以外の心の通わせ合いは心に響いてくる作品ではないだろうか。
評価Dなのは、弁当を知っていたことが、大きな感動につながらなかった点なので、話を知らない人はぜひ見てほしい。
母の視点、娘の視点、どちらも大事。母の日などに見てほしい作品です。
<たこさんウィンナーのストラップが売ってました>
ネタバレとなるので、言葉は書けないが、母の口癖は同じものだった。
自分は失敗が多いからだったのだろう、励ましによく、その言葉を言われた。今でも、その言葉は信じているし、それは自分の心の芯となっている一つである。
自分は母が弁当を作るのは嫌いであった。働いていて、休みを妨げるようで、迷惑をかけているようで。そう思って、いらないとか、おいしくないとか、ひどいことをいうアホな子供であった。今、彼に言えるなら、素直に食べて感謝しろと言いたい。
母へ、今更ながら、毎日、お弁当ありがとうございました。
感謝の気持ちを思い出させてくれる作品でした。
映画のもととなっているブログを本にしたものを読みました。
1個1個のエピソード、弁当に込められた状況や感情も伝わってきました。映画をより楽しむことができると思うので、ぜひ手にしてみてはどうでしょうか。
画像はAmazonアソシエイトからの公式提供、もしくはブログ主本人の撮影画像です。