【ルーム】 母×息子×世界とは 評価D 50点 <洋画> 映画

【ルーム】 D-75 50点 <洋画> 
2015年 カナダ・アイルランド・イギリス・アメリカ作品
実在の事件を元に書かれた小説が原作。
ブリー・ラーソンアカデミー賞主演女優賞を受賞している。

「7年間も密室に監禁された女性が、そこで生まれ育った5歳の息子のために命懸けで脱出に挑む」
ネタばれあります。

ルーム(字幕版)

「世界という概念はとても難しい。悲惨な事件を通して、子供の視点を通して、なにが幸せで、なにを見るべきで、なにを感じるべきかを感じてと言われているようだ」

先に書くが、評価D というより評価がつけられないというのが本音。
子を持つ親やとくに母親であれば、視点が大きく変わると思うし、孫のいる人でもまったく違うと思うので。
すごく考えさせられる作品であった。
主演の演技は、実在ではないかほどの迫力があった。
子役の演技・セリフひとつひとつにハッとさせられる。

前半の脱出までのルームでのやり取り。
後半の脱出してからの苦悩と未来。

5歳になったから真実を伝えると、混乱し、拒絶する子供。
「4歳になりたい」とのセリフは印象的で、知らなきゃよかったと思うことが多数なのは大人も一緒だけれど、知らなくてはいけないことがたくさんあることも感じた。知らなければ、真実を見なければ、解決もしないし、進みもしない。
彼がその小さい体と心で母を信じ、真実を受け止めて、行動しなければ、解放はなかったのだから。
それでも大きな苦痛と苦悩と絶望があっただろう。
自分の世界でも、自分の知識でもそういうことは多数だ。それでも受け入れて前に進まなければいけない。
現状のゆるい・自分に都合のよい環境に甘えていれば、いつか破滅をまねく。
あのままで脱出しなければ、餓死や火事などで死んでいたかもしれない。

脱出までを描く作品だと思っていたし、脱出した先の世界は、荒廃やゾンビの世界と勝手に思っていた。実際には違う。

後半は、脱出後の「世間」「常識」という世界だ。
順応できないこと、対応できないこと。変わっていた元居た場所。
とくに主人公の父・母の別離は、苦しい状況であった。
自分も変わると同様に、他人も変わる。それは家族でも一緒だ。
常に自分にとっていい状況が続いているとは限らない。病気したり、別れたり、家族もそれぞれ一人の人間だから。
母が言う「人生が変わったのは自分だけだと思って・・」
その7年間に母も父も相当人生が狂っただろう。本人はもちろんだが、事件はすべてを不幸にする。
悩む主人公、子供のために生きる自分と自分のために生きる自分。
子供の視点がそれを救ってくれる。
自分なりの対応し、順応し、世界を見て、取り込んでいく。
気づかされる、壁をつくっているのは自分だ、大人だ。
子供が教えてくれる、世界は広くて、待っているだけ。
どう見るか、どう生きるか、それを作るのは自分だと、幸せを感じるのは自分の心だと。

 

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