「八千草薫さん、素晴らしき大女優」映画とドラマ

名女優「八千草薫」さんが2019年10月に亡くなりました。

亡くなる少し前には、夏のイベントに参加し、涼しくなるよう思っていたが、暑いですねと和かい感じで話していたのが最後に見た姿でした。

たくさんの出演作品がありますが、自分が見た作品を紹介します。

 

映画

サトラレ

2001年 

出演 安藤政信 鈴木京香

里見キヨ役。主人公の里見健一(安藤政信)の祖母。唯一の肉親。

すべての人に心の声が聞こえてしまうサトラレの里見。天才的な能力を持つ外科医の彼は、小さな村で周囲は知らないふりをするという法律のもとで保護され生活をしていた。キヨは癌になってしまう。キヨの執刀をする健一の手術シーンには胸を打たれます。サトラレという周りが迷惑な存在を、温かいオーラで見守り、周りを気遣い、健一との言葉のやり取りは静かながら強い演技で、心打たれないことはできません。安藤の演技を包みながら昇華させています。

2001年チラシ「サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS」安藤政信/内山理名/鈴木京香/深浦加奈子

 

映画

交渉人 真下正義

2005年

 出演 ユースケ・サンタマリア 寺島進 國村隼

片岡智代役。TTR総合指令長である片岡(國村隼)の母役。踊る大捜査線のスピンオフ。謎の犯人から、電車を乗っ取られ暴走させられる事件。事件のカギとなるクラシック演奏会を片岡と一緒に鑑賞する予定の母を演じる。電話の物腰柔らかな雰囲気でありながら、キュートな雰囲気は彼女のほかには出せないです。

交渉人 真下正義

 

映画

舟を編む

2013年

 出演 松田龍平 宮崎あおい オダギリジョー

松本千恵役。辞書作り一筋の編集部員の松本(加藤剛)の妻役。

ある出版社の辞書編集部の15年という出版までの物語。松本は長い歳月の中、完成し出版を待ちわびていたが、亡くなってしまう。千恵は夫婦の長い年月ありよう、長く出版に携わったことの歴史を映画のなかでみせてくれました。彼女の演技で、夫婦の深み、バックグラウンドを感じ、作品の壮大な時間を感じることになります。それにより、辞書の出版に大変な苦労があったと伝わってきます。加藤剛さんは2018年に永眠されています。「大岡越前」といえば、自分のなかでは加藤剛さんでした。

舟を編む

 

ドラマ

白夜行

2006年 

出演 山田孝之 綾瀬はるか

唐沢礼子役。主人公の唐沢雪穂(綾瀬はるか)を引き取って育てた義母。

東野圭吾原作のふたりの幼い男女の悲劇と歪んだ愛を描いた作品。

何度も雪穂を大きな愛で包み、諭して導こうとする礼子を優しきなかにも凛とした姿で演じる。そして、事件の真相を知ってしまった礼子は雪穂を説得しようとするが失敗する。そして、亮司(山田孝之)と病院で対峙する。そのやり取り、演技力のすごさ。ベットの上から伝わる切なさと悔しさと受け入れ。くるってしまった二人を象徴するような名シーンに胸が熱くなります。

 

 

 

白夜行 完全版 Blu-ray BOX(4枚組)

 

多くの作品、若き頃の作品は見ていません。しかし、映画などの作品は、あらためて見ることができるという素晴らしいものです。彼女が残したものは、見る人が、保管する人が、大切にする人がいれば、忘れられず、後世に引き継がれていきます。

 ご冥福をお祈り申し上げます。

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