本日の金曜ロードショーは、2021年のアメリカ合衆国・フランス・カナダ合作作品「コーダ あいのうた」です。
この作品の魅力について紹介いたします。
①コーダとは
聞こえない親のもとで育つ、聞こえる子どもたち。
英語の頭文字をとって「コーダ(CODA : Children Of Deaf Adults)」。
この作品の主人公はコーダです。両親と兄は耳が聞こえませんが、娘の自分だけが耳が聞こえます。
1:アカデミー賞受賞
この作品は第94回アカデミー賞にて3部門を受賞。
作品賞、助演男優賞トロイ・コッツァー(主人公の父親役)、脚色賞です。
作品賞は一番最後に受賞される大切な賞、総合1位という感じでしょうか。アカデミー賞の作品部門において、動画配信サービスの映画が受賞するのは本作が初めてとなりました。
トロイ・コッツァーはろう者の役者です。
脚色賞は小説や舞台劇などから起こされた脚本におくられる賞であり、続編作品もこの部門の対象。
アカデミー賞は多様化の時代となり、幅広く評価され、受賞も多様化しています。
2:これはリメイク作品
この作品は2014年のフランス映画『エール!(英語版)』の英語リメイクです。
新人女優ルアンヌ・エメラが主人公を演じ、見事な歌声を披露。フランス映画祭2015で観客賞を受賞しました。
王様ランキングの主人公は耳が聞こえず、話せません。
②作品の魅力
家族の中で主人公だけが聞こえる。これがいいことでもあり、悪いことでもあり、大切なことであり、辛いことでもあります。
母のセリフで痛々しくも、たしかにそうだという思いがありました。
「あなた(娘)が生まれて、耳を調べてもらうとき、ろう者であってほしいと願った」という感じのセリフです。
僕ははっとしました。健常者であってほしいと思うのは自分が健常者だからなのだと。同じ環境で同じ感覚で生きていきたい、共感したいという母の思いはとても重いものだなと。もちろん、それは絶対に聞こえないで欲しいとか、聞こえないからよかった、悪かったという単純なものではないと思います。
同じものを求める、これは人として当たり前のこと。家族で一人だけ違う環境になることを恐れたのでしょうか。
あらすじ
主人公のルビーは高校生。家族の両親、兄はろう者で自分だけが聞こえて話せるコーダである。ルビーは歌が好きで生きがいだったが、家族は聞いたこともなく、ルビーが歌を歌えるのも知らなかった。
学校で合唱部に入ったルビーは先生に才能を認められ、音大を目指すことをすすめられる。しっかり歌の練習をしたいルビーだったが、家族の通訳係や漁業の手伝いなどで、練習に遅れたりしてしまう。また漁業の抜き打ち検査のとき、ルビーは一緒に漁に行けず耳が聞こえずに危険と免許停止を受けてしまう父と兄。生活に困ると家族のためルビーは音楽の道をあきらめると先生に話す。秋の学校のコンサートに行く家族は音はまったく聞こえないが、ルビーの歌う姿を見て、また他人がその歌声に拍手喝采なのをみてよかったと感じるのだった。そして音大のオーディションの日・・・
見どころ
主人公ルビーの葛藤。
母のルビーへの思い。父の兄のルビーへの思い。
教えてくれる学校のV先生。熱い!
あらすじの後、ストーリーはなんとなくわかると思いますが、それでも見る価値あります。そこからこそ見てほしい。
父へ、家族へうたを伝える姿が素敵です。
まとめ・感想
「ろう者の家族で唯一の聴者の娘。音は伝わらない、だけど、うたは伝わる。だって、お互いに愛してる、家族だから」
評価C 80点 家族、差別、音楽に興味ある人でなくてもみてほしい作品。
父へのお言葉、ほんとうに励みになりました、ありがとうございます。
今日の#映活~
美女と野獣の音楽はよかったですね。実写版は追加曲があるのがさらにプラスポイントです。
来週の金曜ロードショーは
「インディージョーンズ 最後の聖戦」です。
これも父とインディーの物語、ファミリーを感じる作品です。
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